室内でグリーンウォーターを楽しみたいと思っていませんか?
メダカの稚魚を室内でグリーンウォーターを使って育てたいと考えていますか?
冬になると屋外ではグリーンウォーターを作るのが難しくなりますよね。
そもそも、室内でグリーンウォーターを維持することは可能なのでしょうか?
この疑問にお答えします。
室内でグリーンウォーターは作れるのか?
多くの方が最初に疑問に思うのは、「室内でグリーンウォーターを作れるのか?」ということです。
外の強い日差しの下で、時間をかけて水が緑色に変わる様子を見たことがある方もいるでしょう。
では、そのような状況を室内でも再現できるのでしょうか?
答えは、
はい、室内でもグリーンウォーターは作れます。
ただし、屋外のように水を置いておくだけでは、室内でグリーンウォーターを作ることはできません。
グリーンウォーターができる仕組みを理解し、必要な条件を整えることで、室内でもグリーンウォーターを作ることが可能です。
グリーンウォーターとは?どうやってできるの?
室内で効率よくグリーンウォーターを作るために、まずはグリーンウォーターとは何なのか、そしてどのように作られるのかについて簡単に説明します。
グリーンウォーターとは?
簡単に言うと、グリーンウォーターとは植物プランクトンの集まりです。
グリーンウォーターの元となる植物プランクトンの多くは小さすぎて肉眼では見えません。
しかし、これらの植物プランクトンが大量に集まると、水全体が葉緑素によって緑色に見えるようになります。
これがグリーンウォーターです。
グリーンウォーターの濃さは植物プランクトンの数に比例します。
この植物プランクトンを上手に増やすことが、グリーンウォーターを作るポイントです。
グリーンウォーターの作られる過程とは?
屋外でグリーンウォーターが発生するための条件は以下の通りです。
- 強い日差しが長時間当たること
- 養分が豊富な水があること
- 適切な水温が保たれること
- 水を浄化する植物が少ないこと
これらの条件が揃うことで、植物プランクトンが活発に光合成を行い、増殖してグリーンウォーターが形成されます。
では、室内でグリーンウォーターを作る方法に進みましょう。
室内でグリーンウォーターを作る方法
室内でグリーンウォーターを作成するには、屋外での条件を再現し、不足している要素を補う必要があります。
照明で太陽光を代用する
植物プランクトンは光合成を行うため、太陽光の代わりに水草用や植物育成用の照明を使用します。ただし、室内の一般的な照明では光量が足りず、光合成は十分に行われません。そのため、専用の照明が必要です。
照射時間と光の強さが重要で、14時間ほどの点灯が効果的です。可能であれば、日光が入る場所に水槽を置き、自然光も利用すると良いでしょう。
養分の豊富な水を準備する
金魚やメダカの飼育水を使用すると、グリーンウォーターの種水として適しています。この水には窒素やリンが豊富に含まれており、植物プランクトンの養分の源となります。
きれいな水では養分不足でプランクトンが増えないため、園芸用肥料を使うことも有効です。特にハイポネックスなどが効果的です。ただし、水草用の肥料は成分が抑えられているため、園芸用肥料を使用するのがポイントです。
注意点として、園芸用肥料にはメダカに害を与える成分が含まれることがあるため、グリーンウォーターを作る際はメダカを入れずに行います。グリーンウォーターが完成した後は、その成分はプランクトンによって消費されているため、安心してメダカに使用できます。
水温管理が重要なグリーンウォーター作り
グリーンウォーターを作るには、適切な水温が非常に重要です。
植物プランクトンが活発に光合成を行うのに最適な水温は、25℃から30℃とされています。
この温度範囲を保つために、水温計を使って定期的にチェックしましょう。
水温が低い場合は、水槽用ヒーターを使って適温に保つと良いです。
光の強さ、養分豊富な水、適切な水温が揃えば、あとは待つだけです。
これらの要素のバランスによって、グリーンウォーターができるまでの時間は異なります。
もし1週間経っても水の色に変化がなければ、失敗の可能性があります。
原因を調べて改善しましょう。
よくある問題は照明の強さです。
水温はヒーターで管理すればほとんど問題ありませんし、種水も適切なら大丈夫なはずです。
一番判断が難しいのは照明の照度です。
良質な照明を使うことが重要です。
屋外でのグリーンウォーター作りはほとんど費用がかかりませんが、室内では設備に投資が必要です。
自然の力を補うには、電力と設備が必要になります。
室内でのグリーンウォーターの維持方法
グリーンウォーターの作成に成功した後は、その状態を維持することが大切です。
エアレーションでグリーンウォーターを維持する
植物プランクトンは無限に増殖するわけではなく、捕食者がいない環境では数日以内に死滅して分解されます。
この過程で大量の酸素が消費されるため、水中が酸欠状態になることを防ぐために、エアーポンプでエアレーションを行いましょう。
また、植物プランクトンも呼吸をして酸素を消費しています。
日中は光合成により酸素を生成するため問題ありませんが、夜間は光合成が止まり、呼吸だけが行われるため酸欠になる可能性があります。
これを防ぐために、夜間もエアレーションを続けることが重要です。
植物プランクトンに養分を補給する
グリーンウォーターを維持するためには、植物プランクトンに適切な養分を補給することが不可欠です。
養分が不足すると、プランクトンの増殖が止まってしまいます。
グリーンウォーターが薄くなる前に、少しずつ養分を追加しましょう。
メダカの稚魚を室内で育てるためのグリーンウォーターの活用
室内で作ったグリーンウォーターは、メダカの稚魚(針子)の餌として最適です。
これにより、稚魚の餌不足を解消できます。
しかし、太陽光で作られたグリーンウォーターと人工照明で作られたものでは、含まれるプランクトンの種類や量に差があります。
室内のグリーンウォーターは太陽光の恩恵が少ないため、動物プランクトンの発生が遅くなります。
日当たりの良い場所に水槽を置くことで多少改善されますが、太陽光と照明の違いを完全には埋められません。
植物プランクトンと動物プランクトンが豊富な環境と、限られたプランクトンしかいない環境では、メダカの成長にも影響があります。
さらに、太陽光には紫外線が含まれ、生物の成長に必要なものを生成します。
メダカの稚魚も、太陽光を浴びることで成長が促進されます。
そのため、室内のグリーンウォーターだけで屋外と同じように稚魚を育てることは難しいです。
成長の遅れや生存率の低下などの問題が生じるかもしれません。
しかし、グリーンウォーターを利用することで、稚魚にとって良い環境を提供できるのは確かです。
動物性プランクトンが不足する場合は、市販のミジンコなどで補うことができます。
メダカの稚魚は、孵化後2、3日は自身の養分を吸収して育ちます。
その後、植物性プランクトンを食べ始め、成長と共に動物性プランクトンも摂取するようになります。
この時期に動物性プランクトンが不足すると成長が遅くなるため、養分の高いミジンコなどを与えましょう。
室内でのグリーンウォーター作成と維持のまとめ
- 室内でもグリーンウォーターは作成可能
- グリーンウォーター作りには光、養分の豊富な水、適切な水温が必要
- 太陽光は水草用や植物育成用の照明で代用できる
- ハイポネックスなどの園芸用肥料が植物プランクトンの養分になる
- 植物プランクトンは25℃~30℃で活発に光合成する
- エアレーションはグリーンウォーターの維持に必須
- 室内と屋外のグリーンウォーターには質の違いがある
- 市販の動物性プランクトンで不足を補える
今回は室内でのグリーンウォーターの作り方と維持方法をご紹介しました。皆様のメダカ飼育の参考になれば幸いです。
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